生保レディー待遇問題にどう向き合うか!?
生命保険業界では20万人超に上る生保レディーが勤務していると言われ、その実態は厚いベールに包まれてきたことを前回のブログでご紹介をさせて頂きました。
今回は、この件について各保険会社が生保レディー待遇についてどのように取り組んでいるのかについてご紹介をさせて頂きます。
生保レディー待遇問題にどう向き合うか
( 週刊ダイヤモンド 5/29 第109巻21号 )
はなさく生命は「1勝1負」営業職員は質と量を拡大
日本生命保険社長 清水 博
はなさく生命保険に成績を付けるとしたら何点でようか。
プラスとマイナス、両方あると思います。
初年度の契約獲得目標件数は大幅に上回りました。
これは褒めてあげるべきだと思います。
ただし、持続的な成長のために委託代理店数はとても大事な数字ですが、これはまだまだ。
1年目の契約件数の目標を上回ったからといって、手放しで喜べる状況ではありません。
「1勝1負」といったところでしょうか。
生保レディーの今後の方針は。
質と量の両方を拡大させます。
むろん、規模ありきではありません。
あくまでも育成が追い付く範囲内です。
1人の営業職員が担当するお客さまは200人ほどですので、もう少し絞った方がより綿密なサービスができると考えています。
生保レディーの待遇について、給与を固定化したり、評価方法を変えたりすることは考えていますか。
客さまや営業職員チャネルの状況など、毎年の状況に応じて変えていく方針です。
成果給は、既契約のお客さまにフォロー活動をしているかなど、新契約の獲得以外のところも評価しています。
成果給そのものが新契約偏重というわけではありません。
営業職員チャネルは今後もメインであり続けるのでしょうか。
日本生命グループでは、販売チャネルがどんどん多様化・多角化しています。
ただ、生命保険は長期にわたる商品であり、その間に収入や家族の状況が変わってきますし、備えるべき金額なども変わってくる。
そのときに、お客さまが相談できるルートがあることが生命保険では重要です。
ですので、これからも営業職員チャネルは営業の中心になり続けると考えています。
金銭不祥事は徹底的に根絶する営業職員数は短期的に減少へ
第一生命保険社長 稲垣精二
昨年10月に発覚した元営業職員による19億円超の金銭搾取事件について、第一生命保険のトップとして今、どのように考えますか。
お客さまの強い信頼を逆手に取るような事案であり、第一生命として、非常に重く受け止めています。
お客さまからの信頼を頂くような教育を行っており、元営業職員はキャリアの前半はそれを実践していたのだと思いますが、後半は金銭搾取を起こしていました。
類似事例も出てきています。
徹底的に根絶することを目指して取り組んでいきます。
組織はいつまでに改善するのでしょうか。
今後、このような金銭不祥事は一切起こさないというのが、私の強い決意です。
実績で示すしかないと思っています。
全社横断的な「経営品質刷新プロジェクト」を進めています。
その一環として、営業職員が金銭を預かることは一切ないことなどを、お客さまへの通知物でご案内しています。
一部で残っていた金銭のやりとりもなくしました。
本社とお客さまとで直接パイプをつくる取り組みも進めていきます。
全ての契約内容を徹底的に洗い出し、膿を出し切ります。
社員とは、最も優先すべきは会社や自己の利益ではなく、お客さまの利益であることを対話を通して再確認し、この問題を過去のものにしたいと考えています。
中期経営計画では、営業職員数は短期的に減らしていく方針ですね。
営業職員については、独り立ちできる方を採用するという考え方でこれまでもやってきましたが、それを徹底していきます。
その結果、採用数は減っていくだろうとみています。
短期的には減っていくだろうと思っていますが、将来も減らしていくという見方はしていません。
生保レディーに固定的給与導入「品格」を評価する新制度も
明治安田生命保険社長グループEC 根岸秋男
生保レディーの給与を固定給にすると営業成績が落ちてしまうのではないでしょうか。
すでに、15年間にわたって営業職員の待遇改善を進めてきており、今回を最終章と位置付けています。
過去にも固定給部分を上げましたが、生産性は落ちませんでした。
お客さまとのリレーションに基づく販売に注力することで、契約の継続率を改善させることに成功しています。
加えて、5年以上経験があり、品格や人間性などが素晴らしいと評価された場合に認定される「プレミアAD」という制度をつくります。
これは営業成績だけではなく、定性評価が基本となっていきます。
プレミアADに認証されると10~15%くらい給与が上がります。
普通の成績の人なら1~2%。給与総額では5%強がアップします。
第一生命保険の不祥事をきっかけに、業界でガイドラインなどを作るべきだったのではないでしょうか。
そもそも、ガイドラインとは何かということです。
これは「参考」なんです。強制力はないんです。
生保協会は自主規制団体じゃないんです。
今回、アンケートを基に作った報告書の中に好事例をたくさん入れている。
ガイドラインとして、最大公約数的なものを出すくらいだったら、好事例をたくさん入れることで、経営者自らが参考にして、営業職員の高度化を申し合わせることの方が、よっぽど効果は大きい。
私たちはそう判断しました。
これは「申し合わせ」であり、生保協会としては五つ目のことなんです。
過去に保険金不払い問題について三つ、反社会的勢力について一つ、そして今回の件を合わせて五つ目です。
業界的には非常に大きなものなんです。
営業職員の制度改革の道はすでに通ってきたものだ
住友生命保険社長 高田幸徳
業界では営業職員の処遇や評価の変更などが進んでいます。
営業職員に関する課題は、もうずっと言われ続けている問題です。
弊社では業界に先駆けて四半期に1度の採用にしていますし、半年間は営業現場に出さない方法で育成しています。
また、5年間にわたって、育成教育を徹底しています。
私たちは待遇を改善するなど、その道は過ぎているという認識です。
私たちとしては、もっとその先、営業職員がどうあるべきかを考えて、追及していきたい。
募集手当や目標をなくすなどが取り沙汰されていますが、それはやろうと思えばすぐにやれること。
そうではなくて、本当に営業やサービス活動を通して、お客さまに貢献できているかを見なければなりません。
営業職員のターンオーバー問題(大量採用・大量脱落)はどのように考えていますか。
2011年度から優秀な人材の採用や育成・指導体制の強化を進めており、離職率は着実に改善しています。
長く継続して働けるマインドや能力を有しているかなどを見極める「営業適正診断」も実施しています。
これは、長年勤務している職員や優秀な成績を収めている職員からの回答データを基に構築したもので、優秀な人材の厳選採用に効果を発揮しています。
結局、営業職員に関する施策で最も重要なのは教育だと考えています。
ただ教えて育てるという「共育」という考え方が重要です。
だから、上司も変わらないといけない。
人材教育の本丸は上司であり、マネジャー層だと考えています。
人材教育を一つ旗頭にしたいと思っています。

今回は、この件について各保険会社が生保レディー待遇についてどのように取り組んでいるのかについてご紹介をさせて頂きます。
生保レディー待遇問題にどう向き合うか
( 週刊ダイヤモンド 5/29 第109巻21号 )
はなさく生命は「1勝1負」営業職員は質と量を拡大
日本生命保険社長 清水 博
はなさく生命保険に成績を付けるとしたら何点でようか。
プラスとマイナス、両方あると思います。
初年度の契約獲得目標件数は大幅に上回りました。
これは褒めてあげるべきだと思います。
ただし、持続的な成長のために委託代理店数はとても大事な数字ですが、これはまだまだ。
1年目の契約件数の目標を上回ったからといって、手放しで喜べる状況ではありません。
「1勝1負」といったところでしょうか。
生保レディーの今後の方針は。
質と量の両方を拡大させます。
むろん、規模ありきではありません。
あくまでも育成が追い付く範囲内です。
1人の営業職員が担当するお客さまは200人ほどですので、もう少し絞った方がより綿密なサービスができると考えています。
生保レディーの待遇について、給与を固定化したり、評価方法を変えたりすることは考えていますか。
客さまや営業職員チャネルの状況など、毎年の状況に応じて変えていく方針です。
成果給は、既契約のお客さまにフォロー活動をしているかなど、新契約の獲得以外のところも評価しています。
成果給そのものが新契約偏重というわけではありません。
営業職員チャネルは今後もメインであり続けるのでしょうか。
日本生命グループでは、販売チャネルがどんどん多様化・多角化しています。
ただ、生命保険は長期にわたる商品であり、その間に収入や家族の状況が変わってきますし、備えるべき金額なども変わってくる。
そのときに、お客さまが相談できるルートがあることが生命保険では重要です。
ですので、これからも営業職員チャネルは営業の中心になり続けると考えています。
金銭不祥事は徹底的に根絶する営業職員数は短期的に減少へ
第一生命保険社長 稲垣精二
昨年10月に発覚した元営業職員による19億円超の金銭搾取事件について、第一生命保険のトップとして今、どのように考えますか。
お客さまの強い信頼を逆手に取るような事案であり、第一生命として、非常に重く受け止めています。
お客さまからの信頼を頂くような教育を行っており、元営業職員はキャリアの前半はそれを実践していたのだと思いますが、後半は金銭搾取を起こしていました。
類似事例も出てきています。
徹底的に根絶することを目指して取り組んでいきます。
組織はいつまでに改善するのでしょうか。
今後、このような金銭不祥事は一切起こさないというのが、私の強い決意です。
実績で示すしかないと思っています。
全社横断的な「経営品質刷新プロジェクト」を進めています。
その一環として、営業職員が金銭を預かることは一切ないことなどを、お客さまへの通知物でご案内しています。
一部で残っていた金銭のやりとりもなくしました。
本社とお客さまとで直接パイプをつくる取り組みも進めていきます。
全ての契約内容を徹底的に洗い出し、膿を出し切ります。
社員とは、最も優先すべきは会社や自己の利益ではなく、お客さまの利益であることを対話を通して再確認し、この問題を過去のものにしたいと考えています。
中期経営計画では、営業職員数は短期的に減らしていく方針ですね。
営業職員については、独り立ちできる方を採用するという考え方でこれまでもやってきましたが、それを徹底していきます。
その結果、採用数は減っていくだろうとみています。
短期的には減っていくだろうと思っていますが、将来も減らしていくという見方はしていません。
生保レディーに固定的給与導入「品格」を評価する新制度も
明治安田生命保険社長グループEC 根岸秋男
生保レディーの給与を固定給にすると営業成績が落ちてしまうのではないでしょうか。
すでに、15年間にわたって営業職員の待遇改善を進めてきており、今回を最終章と位置付けています。
過去にも固定給部分を上げましたが、生産性は落ちませんでした。
お客さまとのリレーションに基づく販売に注力することで、契約の継続率を改善させることに成功しています。
加えて、5年以上経験があり、品格や人間性などが素晴らしいと評価された場合に認定される「プレミアAD」という制度をつくります。
これは営業成績だけではなく、定性評価が基本となっていきます。
プレミアADに認証されると10~15%くらい給与が上がります。
普通の成績の人なら1~2%。給与総額では5%強がアップします。
第一生命保険の不祥事をきっかけに、業界でガイドラインなどを作るべきだったのではないでしょうか。
そもそも、ガイドラインとは何かということです。
これは「参考」なんです。強制力はないんです。
生保協会は自主規制団体じゃないんです。
今回、アンケートを基に作った報告書の中に好事例をたくさん入れている。
ガイドラインとして、最大公約数的なものを出すくらいだったら、好事例をたくさん入れることで、経営者自らが参考にして、営業職員の高度化を申し合わせることの方が、よっぽど効果は大きい。
私たちはそう判断しました。
これは「申し合わせ」であり、生保協会としては五つ目のことなんです。
過去に保険金不払い問題について三つ、反社会的勢力について一つ、そして今回の件を合わせて五つ目です。
業界的には非常に大きなものなんです。
営業職員の制度改革の道はすでに通ってきたものだ
住友生命保険社長 高田幸徳
業界では営業職員の処遇や評価の変更などが進んでいます。
営業職員に関する課題は、もうずっと言われ続けている問題です。
弊社では業界に先駆けて四半期に1度の採用にしていますし、半年間は営業現場に出さない方法で育成しています。
また、5年間にわたって、育成教育を徹底しています。
私たちは待遇を改善するなど、その道は過ぎているという認識です。
私たちとしては、もっとその先、営業職員がどうあるべきかを考えて、追及していきたい。
募集手当や目標をなくすなどが取り沙汰されていますが、それはやろうと思えばすぐにやれること。
そうではなくて、本当に営業やサービス活動を通して、お客さまに貢献できているかを見なければなりません。
営業職員のターンオーバー問題(大量採用・大量脱落)はどのように考えていますか。
2011年度から優秀な人材の採用や育成・指導体制の強化を進めており、離職率は着実に改善しています。
長く継続して働けるマインドや能力を有しているかなどを見極める「営業適正診断」も実施しています。
これは、長年勤務している職員や優秀な成績を収めている職員からの回答データを基に構築したもので、優秀な人材の厳選採用に効果を発揮しています。
結局、営業職員に関する施策で最も重要なのは教育だと考えています。
ただ教えて育てるという「共育」という考え方が重要です。
だから、上司も変わらないといけない。
人材教育の本丸は上司であり、マネジャー層だと考えています。
人材教育を一つ旗頭にしたいと思っています。
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この記事へのコメント
郵便局と同じこと、昔、転換で新聞で騒いだ時も
同じで無理
待遇以前に、販売チャンネルが、代理店と生保レディー
乗合代理店で来店型ショップと訪問型乗合代理店
組み合わせはいずれとして
1社専業での営業スタイルは、無理だと見てます
1社専業と同じで限界は有るでしょう
辞めた後は、二度としたくないと感じるでしょう
比較推奨より成績考えるでしょうね
いつもコメントをありがとうございます。
この問題は保険業界の永遠の問題であり、なかなか解決のできない問題でもあると思っています。
そして、なかなか解決が出来ない中で同じようなことが何度も繰り返されて、そのたびに解決策を講じなければと言い続けられながら結局解決が付かずに続いていくのだろうなと思っていますよ。
>がくがくダックさん
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>一言・・・無理
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>郵便局と同じこと、昔、転換で新聞で騒いだ時も
>同じで無理
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>待遇以前に、販売チャンネルが、代理店と生保レディー
>
>乗合代理店で来店型ショップと訪問型乗合代理店
>
>組み合わせはいずれとして
>
>1社専業での営業スタイルは、無理だと見てます
>
>1社専業と同じで限界は有るでしょう
>
>辞めた後は、二度としたくないと感じるでしょう
>
>比較推奨より成績考えるでしょうね
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