大手生保が運用好調でも単純に喜べない理由
主要な生命保険会社の2015年4~9月期の決算が出そろったのですが、本業の儲けを示す「基礎利益」では大手4社中で日本生命保険、第一生命保険、明治安田生命保険が最高益を記録し、売上高に相当する保険料等収入では日本生命が第2四半期としては2年ぶりに第一生命から首位の座を奪い返しました。
そして、基礎利益では日本生命が3933億円と前年同期比で22.1%伸ばし、第一生命がこれに続く2674億円(同17.6%増)、明治安田は2428億円(同5.4%増)と各社の基礎利益が伸びたのは契約にかかる予定利率と実際の運用利回りの差である利差益(順ザヤ)が拡大したためなのですが、住友生命では順ザヤは確保したが株価下落による変額年金の責任準備金繰り入れが基礎利益を10.9%減の1638億円へと押し下げましたが、これは保険会社各社ともに円安により外国債券の利息収入が膨らみ企業の株主還元意識の高まりで株式配当も増えたことが配信されていました。
しかし、大手生命保険各社の運用が好調でも単純に喜べない理由があることが東洋経済オンラインにより掲載されていましたのでご紹介したいと思います。
大手生保が運用好調でも単純に喜べない理由
( 東洋経済オンライン 2015/12/1 05:00 水落 隆博 )
主要な生命保険会社の2015年4~9月期の決算が11月26日に出そろった。
本業の儲けを示す「基礎利益」では、大手4社中で日本生命保険、第一生命保険、明治安田生命保険が最高益を記録した。
一方、売上高に相当する保険料等収入では、日本生命が第2四半期としては2年ぶりに第一生命から首位の座を奪い返した。
基礎利益は日生が3933億円と前年同期比で22.1%伸ばした。
第一生命がこれに続く2674億円(同17.6%増)、明治安田は2428億円(同5.4%増)だった。
各社の基礎利益が伸びたのは、契約にかかる予定利率と実際の運用利回りの差である利差益(順ザヤ)が拡大したため。
円安で外国債券の利息収入が膨らみ、また企業の株主還元意識の高まりで株式配当も増えた。
住友生命も順ザヤは確保したが、株価下落による変額年金の責任準備金繰り入れが、基礎利益を10.9%減の1638億円へと押し下げた。
■日生、年金の大型契約で首位奪還
保険料等収入では、日生が17.3%増の2兆8961億円、第一は7.8%増の2兆7900億円だった。
日生は大型契約の獲得など団体年金の受託が好調で、団体保険・団体年金の保険料が3851億円増加。
また外貨建て商品の投入効果などで銀行窓口での販売も伸びた。
ちなみに生保の企業価値測定の基準になる、修正純資産と保有契約から生じる将来利益の合算である、エンベディッドバリュー(EV)については、住友が増加、第一と明治安田は減少とまちまちだった(大手では日生が開示せず)。
最高益が並ぶという決算の結果だったが、今後の収益環境について、日生の児島一裕常務執行役員は「楽観はできない」という。
長期にわたって保険金支払いを約束する長期負債を抱える生保では、長期の円建て金利資産への投資が運用の中核となる。
ただ非伝統的な金融緩和政策による長期も含めた超金利低下が長引く中、各社とも超長期債の買い入れを抑制せざるを得ない。
代替として外国債券やクレジット投資を進めて、利回り確保と運用の多様化に取り組んでいる。
また顧客向けの貯蓄性商品についても、魅力のある商品の提供が難しくなっており、足元の顧客のニーズも外貨建て商品に向かう傾向がある。
先行する第一、7月に新商品を投入した日生を追って、明治安田も「外貨建て商品の開発に着手した」(荒谷雅夫常務執行役)とし、住友でも、「外貨建て一時払い保険の販売を検討していく」(古河久人常務執行役員)ことを明らかにしている。
■大手も来店型保険ショップに参入
少子高齢化や若年層の保険加入率の低下、ニーズの多様化、企業や家庭でのセキュリティ強化など生保市場の環境は大きく変化しつつある。
大手各社とも若年層や女性向けの商品開発・投入に工夫を凝らしているが、現在では大手の主要チャネルである営業職員からの保険購入は5割を切っているという見方がある。
既存のチャネルではアクセスが難しい顧客層をいかに取り込むかが大手生保にとっての共通課題となっている。
日生は買収する三井生命とシステムインフラや商品開発を役割分担して、出遅れていた銀行窓販だけでなく、若年層顧客が多い保険ショップを含む乗合代理店にも攻勢をかける方針だ。
また第一は、昨年買収したネオファースト生命(旧社名・損保ジャパンDIY生命)を、8月からシンプルで割安な商品を銀行窓販や来店型ショップで提供する会社として本格稼働させている。
大手各社の相次ぐ本格参入で、銀行窓販に続いて、これまで外資系や損保系など新興勢力が独壇場だった保険ショップ市場でも、商品開発、販売競争が激しさを増しそうだ。
最終更新日:2015/12/1 10:05

そして、基礎利益では日本生命が3933億円と前年同期比で22.1%伸ばし、第一生命がこれに続く2674億円(同17.6%増)、明治安田は2428億円(同5.4%増)と各社の基礎利益が伸びたのは契約にかかる予定利率と実際の運用利回りの差である利差益(順ザヤ)が拡大したためなのですが、住友生命では順ザヤは確保したが株価下落による変額年金の責任準備金繰り入れが基礎利益を10.9%減の1638億円へと押し下げましたが、これは保険会社各社ともに円安により外国債券の利息収入が膨らみ企業の株主還元意識の高まりで株式配当も増えたことが配信されていました。
しかし、大手生命保険各社の運用が好調でも単純に喜べない理由があることが東洋経済オンラインにより掲載されていましたのでご紹介したいと思います。
大手生保が運用好調でも単純に喜べない理由
( 東洋経済オンライン 2015/12/1 05:00 水落 隆博 )
主要な生命保険会社の2015年4~9月期の決算が11月26日に出そろった。
本業の儲けを示す「基礎利益」では、大手4社中で日本生命保険、第一生命保険、明治安田生命保険が最高益を記録した。
一方、売上高に相当する保険料等収入では、日本生命が第2四半期としては2年ぶりに第一生命から首位の座を奪い返した。
基礎利益は日生が3933億円と前年同期比で22.1%伸ばした。
第一生命がこれに続く2674億円(同17.6%増)、明治安田は2428億円(同5.4%増)だった。
各社の基礎利益が伸びたのは、契約にかかる予定利率と実際の運用利回りの差である利差益(順ザヤ)が拡大したため。
円安で外国債券の利息収入が膨らみ、また企業の株主還元意識の高まりで株式配当も増えた。
住友生命も順ザヤは確保したが、株価下落による変額年金の責任準備金繰り入れが、基礎利益を10.9%減の1638億円へと押し下げた。
■日生、年金の大型契約で首位奪還
保険料等収入では、日生が17.3%増の2兆8961億円、第一は7.8%増の2兆7900億円だった。
日生は大型契約の獲得など団体年金の受託が好調で、団体保険・団体年金の保険料が3851億円増加。
また外貨建て商品の投入効果などで銀行窓口での販売も伸びた。
ちなみに生保の企業価値測定の基準になる、修正純資産と保有契約から生じる将来利益の合算である、エンベディッドバリュー(EV)については、住友が増加、第一と明治安田は減少とまちまちだった(大手では日生が開示せず)。
最高益が並ぶという決算の結果だったが、今後の収益環境について、日生の児島一裕常務執行役員は「楽観はできない」という。
長期にわたって保険金支払いを約束する長期負債を抱える生保では、長期の円建て金利資産への投資が運用の中核となる。
ただ非伝統的な金融緩和政策による長期も含めた超金利低下が長引く中、各社とも超長期債の買い入れを抑制せざるを得ない。
代替として外国債券やクレジット投資を進めて、利回り確保と運用の多様化に取り組んでいる。
また顧客向けの貯蓄性商品についても、魅力のある商品の提供が難しくなっており、足元の顧客のニーズも外貨建て商品に向かう傾向がある。
先行する第一、7月に新商品を投入した日生を追って、明治安田も「外貨建て商品の開発に着手した」(荒谷雅夫常務執行役)とし、住友でも、「外貨建て一時払い保険の販売を検討していく」(古河久人常務執行役員)ことを明らかにしている。
■大手も来店型保険ショップに参入
少子高齢化や若年層の保険加入率の低下、ニーズの多様化、企業や家庭でのセキュリティ強化など生保市場の環境は大きく変化しつつある。
大手各社とも若年層や女性向けの商品開発・投入に工夫を凝らしているが、現在では大手の主要チャネルである営業職員からの保険購入は5割を切っているという見方がある。
既存のチャネルではアクセスが難しい顧客層をいかに取り込むかが大手生保にとっての共通課題となっている。
日生は買収する三井生命とシステムインフラや商品開発を役割分担して、出遅れていた銀行窓販だけでなく、若年層顧客が多い保険ショップを含む乗合代理店にも攻勢をかける方針だ。
また第一は、昨年買収したネオファースト生命(旧社名・損保ジャパンDIY生命)を、8月からシンプルで割安な商品を銀行窓販や来店型ショップで提供する会社として本格稼働させている。
大手各社の相次ぐ本格参入で、銀行窓販に続いて、これまで外資系や損保系など新興勢力が独壇場だった保険ショップ市場でも、商品開発、販売競争が激しさを増しそうだ。
最終更新日:2015/12/1 10:05
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